横笛 (源氏物語) (Yokobue (The Tale of Genji))
横笛(よこぶえ)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。
第37帖。
柏木遺愛の横笛がわたりわたって光源氏に届くまでを書く。
あらすじ
光源氏49歳の話。
柏木 (源氏物語)の一周忌が巡ってきた。
裏の事情を知らない柏木の父頭中将は、源氏の弔問に感謝し、悲しみを新たにする。
女三宮の出家、落葉の宮の夫の死と、相次ぐ姫宮たちの不幸を嘆く朱雀帝から、女三宮のところに筍が贈られてきた。
それを生えかけた歯でかじる薫を抱きながら、源氏は今までの人生を思い、また薫の幼いながらも高貴な面差に注目するのであった。
秋の夕暮れ、夕霧 (源氏物語)は柏木の未亡人落葉宮を見舞った。
その帰途、落葉宮の母一条御息所は、柏木の形見の横笛を夕霧に贈る。
その夜の夢枕に柏木が立ち、笛を伝えたい人は他にあると夕霧に語る。
後日、源氏のもとを訪れた夕霧は、明石の姫君の御子たちと無心に遊ぶ薫に柏木の面影を見る。
そして源氏に柏木の遺言と夢の話を伝えるが、源氏は話をそらし横笛を預かるとだけ言うのだった。